Vtuber牡丹きぃの炎上騒動はなぜ起きたのか?
最近Vtuberが人気で凄く増えましたが、一方で炎上・休止・引退するVtuberも増えており、光と影が顕著な状況です。
前回はアマリリス組の引退・解散騒動について説明しましたが、
今回は運営側を告発した後、炎上して休止したVtuberの牡丹きぃについて説明したいと思います。
休止までの経緯
企業に所属して活動していたVtuberの牡丹きぃ(@ bkeygames)が、
長時間活動+薄給+引退の危機などをツイートしました。

告発したツイートの概要
・15時間労働
・賃金はもらっていたが少ない
・スーパーチャット(Youtubeのお布施機能)は全て運営にはいる
・フォートナイト企画はやらせでいやだった
・演出がいきすぎていて、許せなかった
・CDデビューにかけるお金があれば、もっとお金をもらいたかった
・契約書だと思っていたものは契約書ではなかった(契約書は存在していない)
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牡丹きぃのツイートが運営によって検閲されて、ツイートが削除される
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牡丹きぃから、「運営とちゃんと話をする」というツイート
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運営の株式会社CotoIT 植木進司代表がツイッターで謝罪&釈明
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牡丹きぃのツイッターアカウントが植木社長のものに変わり、アイコンも植木社長の写真に変更


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植木社長「もともとこのアカウントは運営のものであり、彼女には譲渡しているだけ」と説明
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運営の謝罪文「牡丹きぃ本人から謝罪文を書けと言われたので書いた」と手書き謝罪文の写真を公開

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Youtubeにて「謝罪と釈明とお願い」の動画が公開
動画の概要については以下のとおり
・15時間労働について
基本的に牡丹きぃ自身がやりたいことをやっており、牡丹きぃの裁量でやっていた。
運営側より労働を強制したわけではない。
牡丹きぃが再生回数の伸びやチャンネル登録数の伸びを気にしていて、人一倍頑張ってしまったためと説明。
・報酬について
Vtuberで得た収入については運営と折半する形で話をしていたが、
はじめのほうはVtuberの収入はゼロであり、ただ報酬ゼロというのはモチベーションも下がり心苦しいため、せめて一定金額をお支払いする形にした。
・スパチャについて
牡丹きぃがツイートで言及していたものは、Youtubeのスパチャのことではなく、ライブ配信アプリのこと。
11月よりライブ配信アプリの活動をしているので、運営に入金されるのは12月、よってお支払いは1月になる。
・演出の件について
企画でフォートナイトをプレイしたときビクロイ(1位)を取るなという発言は確かにしており、
練習風景を動画にしてほしいと言った。それは後で公開する動画に必要だったため。
また外部よりコーチを招いていたため、コーチが見るために必要であった。
・CDデビューの件について
資金を運営が全てを出すわけではなく、クラウドファンディングで集める予定だった

企業側の視点で今回の騒動を考えると
今回の騒動・炎上を企業側の視点で説明していきます。
一から企業がVtuberビジネスをはじめる場合、Vtuberのキャラクターデザインやモデルなどを用意して、TwitterやYoutubeアカウントを準備して、業務を演者さんに委託することになります。
よって基本的にVtuberの権利は企業側にあります。
牡丹きぃのツイートが検閲されて削除されましたが、もともとの権利者は企業側のため問題はありませんし、ツイッターアイコンなどが途中で社長のものに変更されましたが、こちらについても問題はないと思います。
企業はもちろんビジネスとしてVtuberを運営しますので、何としても儲けないといけません。
Youtuberの収入源は、Youtubeのスーパーチャットと動画の広告収益となりますが、
牡丹きぃの動画の視聴回数は全然少ないため、配信時のスーパーチャットが主な収益源となると考えられます。
牡丹きぃは、スーパーチャットが全て運営に入っていることを指摘していますが、スーパーチャットが主な収益源となっているため、その中から固定給(少ないと指摘していましたが)として、お支払いしていたと思います。よって間接的にはスーパーチャットの一部が牡丹きぃにいっていると思いますので、全て運営に入っているというのは違うと思います。
補足で説明しますと、スーパーチャットの金額がそのままYoutubeアカウントに入金されるわけではなく、3割はYoutubeに手数料として取られるので、実際には7割となります。この点についても勘違いされているかたが多いと思います。
「演出にしてもいきすぎていて、きぃは許せませんでした・・・」と運営に対して非難していますが、
現在はVtuberの数が増えすぎて、新規でデビューしても、なかなかファンを獲得することが非常に難しい状況です。
運営はVtuberデビューして数ヶ月経っても思うように、動画の視聴回数や配信の視聴者数が増加せず、収益も上がらないため、かなり苦悩していたのではないかと思います。
ビジネスでVtuberを運営する以上、儲からなければ撤退するしかありませんので、
運営はなんとかして視聴回数などを増加させて、Vtuber事業を続けたいと思い必死だったので、演出について色々と指示をしたのだと思います。
企業としては、牡丹きぃのキャラクターデザインやモデル作成などに少なくないお金(2Dモデルですが50万円以上はかかっている?)を投資しているとは思いますが、
牡丹きぃのチャンネル登録数や、動画や配信の視聴回数から考えると、全然お金ははいっておらず、投資した額は全然取り返すことはできず、かなりの額の赤字のまま休止になったと考えられます。
アイコンの変更、手書きの謝罪文の写真、謝罪と釈明とお願いの動画などは、
運営側が最後にバズらせて少しでもYoutubeの収益につなげて赤字を少なくしたいと思い、
あえてやった炎上マーケティングだと思います。
実際にツイートで拡散されて、謝罪の動画は約6万回の視聴回数まで伸びました。
普段の動画の視聴回数は多くても数千回でしたので、十分バズって視聴回数を伸ばしたと考えられます。

演者さん側の問題点・改善点とは?
企業から業務を請け負うわけですから、業務をはじめる前に、企業側と条件を相談・交渉して、契約書を結ぶ必要があります。
契約書を結ばずに、業務をしてしまうのは非常に良くありません。
企業側で契約書が作成されなかった場合でも、今ではネット上に契約書のテンプレはいくらでもありますので、演者自身で叩き台を作成する形でも全然良いと思います。
後は演者さん側でもある程度はYoutubeや他プロットフォームでどのように収益が発生するかなどは知っていたほうが良いと思います。
そうでないと賃金が低い理由が、会社側が搾取しているのか、収益がないため払えないのかなどがわからないためです。
自分が関わっているビジネスについては、ある程度収益の発生の仕方など知っておいたほうが良いと思います。

なぜVtuberは企業側とトラブルが多いのか?
Vtuber事業はキャラクターデザインやモデルがあるものの、成功させるには演者さんによるものが非常に大きいです。
つまりVtuberを成功させるには、いかに演者さんをマネジメントするかにかかっています。
ただVtuberを運営している企業はITやベンチャー企業が多く、これまで人のマネジメントをしてきた会社ではなく、演者さんのマネジメントするノウハウがないため、トラブルが多いのだと思います。
