果たしてドワンゴの「エンゲージプリンセス」は成功するのか?
先日「テクテクテクテク」のサービス終了を発表したドワンゴですが、
2019年4月1日に「エンゲージプリンセス」という新作ブラウザゲームを配信予定です。
果たして「エンゲージプリンセス」は成功できるでしょうか?
私はこのゲームがヒットするのは非常に難しいと考えており、配信開始前にその理由について説明します。
エンゲージプリセンスとは?
1993年に創刊したライトノベルのレーベル「電撃文庫」が25周年記念作品として、
「niconico」とのコラボで制作された新作ゲームとなります。
電撃文庫「エロマンガ先生」や「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」で知られる、
伏見つかさ氏が原作とメインストーリーを担当し、
かんざきひろ氏がメインキャラクターデザインとイラストを担当します。
ニコニコで活躍するクリエイター・ボカロPや絵師も参加します。
ではここからこのゲームがヒットするのが難しい原因について説明します。
なぜブラウザゲーム?
ドワンゴは2019年3月28日のメディア向け体験イベントにて、「エンゲージプリンセス」の企画意図を以下のように説明しています。
栗田氏が「エンゲージプリンセス」の企画意図を説明した。それによると,本作をPCブラウザゲームとして企画したのは,現在のスマートフォンゲーム市場がレッドオーシャンになっていることを踏まえてのことだという。栗田氏は,新規IPだと認知度の向上が難しいこと,またApp StoreやGoogle Playへのロイヤリティを含めると利益を出しにくいことなどの理由を挙げた。
https://www.4gamer.net/games/412/G041277/20190329033/
現在のスマートフォンゲーム市場がレッドオーシャンであり、新規IPだと認知度の向上が難しいというのはその通りなのですが、ブラウザゲームではまず失敗すると思います。
というのも直近で、凄く強いIPのブラウザゲームで失敗している例があるからです。
「アイドルマスター シャイニーカラーズ」 はブラウザゲームで失敗!
2018年4月24日に「アイドルマスター シャイニーカラーズ」は、ブラウザゲームプラットフォームのenzaにて配信開始しましたが、
2019年3月13日にiOS版、Android版のサービスを開始しています。
要はシャニマスはブラウザゲームだと収益が伸びずに苦戦したため、アプリ版での配信を開始したことになります。
DMMのようにブラウザゲームだからこそできるR18要素があるなら話は変わってくるのですが、
R18ではないただのブラウザゲームでは、アイドルマスターという非常に強いIPを使っても、ヒットさせるのは難しいです。
「ロイヤリティが不要」という理由の落とし穴
ブラウザゲームとして企画した理由として「ロイヤリティが不要」であることを挙げていますが、
この理由は非常に不味くて、ブラウザゲームのプラットフォームenzaが作られた理由と同じなんです。
メーカーはロイヤリティを払うのが嫌でenzaを作りましたが、新作のアイドルマスターは苦戦して、結局iOS版、Android版のサービスを開始しました。
「ロイヤリティが不要」というのはメーカー側の理由であって、ユーザー側を考えた上での理由ではありません。
ユーザーからしたら、メーカーがプラットフォーム手数料をどれだけ払っていようが関係ありません。
なぜニコニコで配信?課金ハードルが高い!
「エンゲージプリンセス」はニコニコアプリでのプレイとなりますので、
もちろんニコニコの会員登録が必要となります。
iOS版やAndroid版のアプリであれば、何回かタップすれば決済完了となり、課金することができるのですが、
ニコニコアプリの場合、課金にはニコニコポイントを購入することになり、
支払い方法を選択して、支払い手続きをしないと、購入ができないため、課金が面倒でハードルが高いです。
上記で挙げたenzaも課金までが面倒でありハードルが高く苦戦しています。
参加するクリエイターの知名度・影響力が弱い
伏見つかさ氏とかんざきひろ氏の「エロマンガ先生」は、
2017年にアニメ化されて話題にはなりましたが、2019年1月にOVAが発売されたものの、
現在ではそこまでコンテンツとしての強さはありません。
さらにはメインストーリーやメインキャラクターデザインを伏見つかさ氏とかんざきひろ氏が担当するのですが、他のキャラクターのシナリオやキャラクターデザインは他のクリエイターが担当します。
他のクリエイターの方々は、伏見つかさ氏やかんざきひろ氏ほどの知名度や影響力はありませんし、
多くのクリエイターが関われば関わるほど、全体的にクオリティを担保するのは難しくなってしまいます。
サービス開始日が4月1日
開始予定日は2019年4月1日なのですが、
4月1日はエイプリルフールでかつ、今年は新元号の発表日となります。
基本的にソーシャルゲームを配信開始する日は、SNSのタイムライン上で話題になることを狙うのですが、4月1日では非常に難しいです。
4月1日はエイプリルフールとなりますので、各ゲームメーカーがエイプリルネタを投下しますし、
今年は新元号が発表されますので、SNSのタイムライン上はエイプリルネタや新元号の話題で持ちきりになります。
配信開始日としては、4月1日は絶対に避けなければいけないのですが、
なぜドワンゴがこの日をサービス開始日にしたのかよくわかりません。
ドワンゴ開発で大丈夫?
先日「テクテクテクテク」のサービス終了を発表したとおり、ドワンゴのゲーム開発能力は低いです。
エンゲージプリンセスのサービス開始が何度も延期されていることから、
このゲームの開発チームも開発能力は低いことが予想されます。
配信開始直後にメンテに突入して、炎上する可能性も十分考えられます。
ドワンゴの立場はいったいどうなる?
以前の記事で強いIPをゲーム化しても現状ヒットさせるのは非常に難しいことを説明しましたが、
オリジナルのブラウザゲーム、そこまで知名度が高くない作家も多く参加しており、
さらには開発がドワンゴという状況ではヒットさせるのはまず無理ではないかと考えています。
「テクテクテクテク」が大失敗したことにより、
川上氏が代表取締役退任して、カドカワの孫会社となってしまったドワンゴですが、
「エンゲージプリンセス」も失敗してしまったら、ドワンゴはいったいどうなってしまうのでしょうか。。。
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