アニメ業界を変えるには、制作の効率化も必要

2023年9月29日

アニメ業界を変えるには、アニメ制作の効率化も必要となってきます。

マングローブ倒産に見る、アニメ制作の工程管理の甘さ

2015年10月1日、「サムライチャンプルー」「Ergo Proxy」「サムライフラメンコ」などを制作してきたアニメ制作会社マングローブが、少なくとも約3億5000万円の負債を抱え、事後処理を弁護士に一任して、自己破産申請の準備に入りました。

サムライチャンプルー
Ergo Proxy
サムライフラメンコ

アニメ制作を手掛ける関係者は、「工程管理の甘さ」を指摘しています。納期が遅れると、アニメーターの時間を使用することになりますので、更にコストがかさんでしまい、他の仕事の玉突きになってしまいます。

さらに、日本のクリエーターは海外とは違い、発言力が強く、質にこだわってしまうため、予算をオーバーしてしまう、「制作赤字」になるケースがあります。赤字は「製作委員会」から補填されるケースもありますが、補填されるのはまれであり、制作会社がかぶるのが普通です。

ポリゴン社の世界レベルの工程管理

一方、徹底した工程管理で成功を収めている制作会社があります。CGアニメ制作会社の「ポリゴン・ピクチュアズ」です。アニメ制作を手掛けたフルCGテレビアニメ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」と「トランスフォーマー プライム」が米エミー賞を受賞しており、先進的な制作技法に加え、徹底的な工程管理などビジネススキームが注目されています。

テレビアニメの納品が放送当日になるケースもあるなど、問題を抱えているアニメ業界で、「納期に遅れた覚えがない」と言われるのがポリゴン社です。また、現場の給料を抑えているのが普通のアニメ業界で、ポリゴン社の給料は他業種と差はなく、土日は休みで、徹夜もありません。

ポリゴン社では独自のツールを活用して、1時間の作業遅れを把握しており、更に帰宅した社員の空いたPCを活用し、深夜に映像の生成作業をするなど、効率重視を徹底しています。取締役の守屋秀樹氏は「端的に言えば、我々は工業製品的に作っている。他のアニメ会社は、職人的で、その差だと思う」と話しています。

ポリゴン社は1983年に設立され、米国での成功でCGアニメ会社の地位を確立しました。徹底した工程管理は、世界をビジネスの相手にする中で必要とされたものです。「米国の会社のスケジュールはキッチリしていますし、納期の遅れは損害賠償につながります」と明かしています。

現在は日本での活動にも力を入れ、アニメ「亜人」「GODZILLA」「シドニアの騎士」などを手がけています。

アニメ「亜人」

「SHIROBAKO」を見てもわかりますが、現在のアニメ制作の現場は、工程管理が全然できていないのが現実です。

工程管理ができていれば、アニメーターのコストは下がりますし、制作進行についてもそんなに人数は必要ありません。そもそも工程管理が上手くできていないから、制作進行が必要となるわけです。

また、世界展開を考えた場合、翻訳作業が必要となってくるため、現在の制作スピードでは全然間に合いません。よって、アニメ業界を変えるには、徹底した工程管理が必要なのです。

「SHIROBAKO」は実際のアニメ制作の現場よりはソフトに描かれているので、

ハッカドール7話「KUROBAKO」を見た方が現実を知ることができますよw

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