読まれるライトノベルの書き方1
前回に引き続き、今回もライトノベルがテーマとなります。
今回と次回は読まれるライトノベルの書き方について説明します。
読まれるライトノベルを書く方法
序文の書き方
ライトノベルでもマンガでも書いた作品は、必ずしも全部を読んでもらえるわけではありません。
当たり前のことですが、このことを理解されていない作家志望の方が多いです。
最初の部分が面白くなくても、全部読んだら確かに面白いのかもしれません。
しかし、読者は最初が面白くなければ、そもそも我慢して全部を読むわけがありません。
映画の場合、観る前にそこそこのお金を払うため、客はよっぽど面白くなければ、
途中で席を立たずに最後まで観てくれますが、
ライトノベルやマンガは最初で興味を惹くことができなければ、読み飛ばされて終わってしまいます。
『カメラを止めるな!』が大ヒットしたのは、映画だからであって、
もしライトノベルやマンガであれば、ヒットすることはなかったでしょう。序盤で読むのをやめてしまいます。
読むのをやめさせないためにも、序文で読者を惹きつけなければいけません。
ライトノベルでは最初の20ページ程度、マンガなら最初の8ベージ程度で読者を引き込めなければ終わりです。
どんな作品でも、物語の最初で読者の関心を引くことができなければ、
例え最後に感動が待っていたとしても、最後までは読んではくれません。
ラストの感動よりも、最初の興味・関心が重要です。
序文でやってはいけないこととは、「長すぎる序文」「必要以上のキャラ紹介」「必要以上の文章・演出」「テーマとは関係ない文章・演出」です。
主人公は強く設定する
主人公は弱くて平凡な設定ではいけません。
最初から強くて個性がある主人公に設定する必要があります。
主人公を弱くて平凡な設定にしてしまったら、そもそも主人公は物語に必要ない存在になってしまいます。
一方、弱くて平凡な主人公が成長していく物語というのは、
ライトノベルの新人賞に一番多く投稿されるタイプとなりますが、
弱い主人公が強くなっていく過程は、作者が違っても、同じパターンになってしまうことが多いです。
また、強くなっていく過程を描いてしまうと、物語のはじまりが冗長になってしまい、物語の序盤の段階で、読者に足切りされてしまいます。
主人公の性別
ライトノベルは男性主人公の作品が多く、女性主人公の作品は少ない傾向にあります。
というのも、ライトノベルの主な読者層は男性であり、
女性主人公の場合、女性心理が理解しづらいため、男性にとって感情移入が難しいです。
現実の女性に接するか、女性心理をちゃんと描いた作品に接することを十分に経験していれば、
女性心理を描いた作品でも読んで楽しむことは可能のはずですが、
2013年にブライダル総研が行った調査では、恋人がおらず、
かつ今まで異性と付き合ったことがない男性は20代で44.3%、30代で29.3%となりました。
約半数の20代男性は、今まで一度も異性と付き合ったことがないのです。
また、小説投稿サイト「小説家になろう」のランキング上位作品に代表されるように、
現在流行している作品は、ハーレムものであり、男性にとって都合が良い女性ばかりを描いています。
さらには、そういう作品にしか接していない世代の作家も登場しており、作家ですら女性心理を書けない時代に突入しました。
結果、現代の男性が女性心理を描いた作品を読む機会は非常に少なくなってしまいました。
ライトノベルの女主人公の作品でも、人気作品は少ないながら確かに存在します。
「スレイヤーズ」や「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」などが挙げられます。
しかし、これらの作品に登場する女主人公はあまり女性心理を持っていないので、例外的と言えます。
女性心理を持っている女性主人公の作品を、女性心理がよくわかっていない読者層が読めば、
理解できない主人公にしか思えず、そういう読者層が女性主人公だと面白くないと判断して、購入しないと考えられます。
一方、漫画やアニメでは女主人公の作品は多く見られます。
これは、漫画やアニメだと表情などのイラストにより、ある程度心理描写が可能なため、
読者の負担は大幅に減ることになりますし、何より女性心理をイラストという形で曖昧に表現されてしまうと、男性は女性心理を理解することができたと誤解してしまうのです。
以上のことより、ライトノベルにおいては、男性を主人公に設定する方が無難です。
主人公を女性にする場合は、女性心理をあまり持っていない主人公に設定して、
さらにイラストを多用することができるならば、女性主人公のヒット作品を多く生み出すことができると考えられます。
次回も引き続き、読まれるライトノベルの書き方について説明します。
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