今後は漫画家が編集者を選ぶ時代に
2011年の1月に、「サルまん」などで知られる編集家で京都精華大学教授の竹熊健太郎氏と、
絶版マンガ図書館(旧:Jコミ)代表取締役社長で漫画家の赤松健氏の対談が都内で行われました。
この対談は、もう5年以上前のことですが、電子書籍の時代における漫画編集者のあり方について、
色々と語られていて面白いので、是非見て欲しい記事です。
赤松 編集者はそうかもしれませんが、売れなかった漫画家さんにも人生があるじゃないですか。編集者は作家を何人かつぶしてようやく一人前、みたいな風潮もあって。でも、その売れなかった漫画家はどうするんだと。漫画家の立場から言うと、編集者が手掛けるのであれば100%の確率で売ってほしいんですよ。漫画家の人たちはみんな、売れなかったら俺たちばっかり切られて、何で俺の担当編集は何本も打ち切られてるのにいまだに社員のままなんだって思ってますよ。
上記で赤松氏が指摘しているように、
編集者の一番の問題点って責任を取らないことだと思います。
なんで自分の担当の作品が何本も打ち切られているのに、
平然と社員を続けていられるのか。。。
漫画家にとっては、人生がかかっているわけです。
編集者もプロとして仕事をしているわけですから、責任は取って欲しいのです。
しかも会社の編集者だと、異動があるため、何年かしたら変わってしまいます。
漫画家の本音としては、責任は取らないし、異動してしまう編集者に自分の担当をして欲しくありません。
この対談では、フリーの編集者が増加することで状況は変わる可能性があると言っています。まとめると下記になります。
・フリーの編集者が増えることで解決されるかもしれない
・これまでは漫画家が編集者を選ぶことはできなかったけど、
フリーの編集者が増えていけば改善される可能性がある
・フリーの編集者が自分担当のエージェントになる
竹熊 「のだめカンタービレ」がうまくいった理由の1つが、担当の三河さんがフリー編集者で、立ち上げから最終回まで8年間ずっと担当できたのが大きいと思うんです。あと、1980年代にジャンプからあれだけヒット作が出た背景には、編集者の異動が少なかったからじゃないかと。デビュー前から担当して、20年間近く一人の作家をずっと担当という人もいましたからね。
フリーの編集者なら、異動がないので、立ち上げから最終回まで担当することができます。上記のように、ヒット作を出しやすくなると思います。
現状では、漫画家が編集者を選ぶことは難しいですが、
電子書籍が拡大している中、
今後は漫画家が編集者を選べる時代が来るかもしれません。
そうなれば漫画業界は変わっていくと思います。
そう期待したいです。
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