人類の進化が萌えを生み出したのか?
以前の記事で、「萌えイラストの変遷がなぜ起こるのか?」について考えましたが、
今回は更に踏み込んで、萌えと人類の進化との関係性を考えていきます。
どうやら日本の萌え文化と人類の進化とは関係がありそうです。
まずは人類の進化について、説明していきます。
おとなの特徴が強調されていく「成形進化」
生物の形質・器官が、生活様式に応じて、変化を際立たせることを特殊化と言います。
例えば、肉食獣の場合、狩猟生活のため、鋭い牙や爪といった特殊化が見られ、
寒冷地の動物の場合、寒冷地での生活を可能にするため、分厚い毛皮や皮下脂肪といった特殊化が見られます。
定行進化の法則では、進化的な生物ほど特殊化の程度が大きくなります。
生物個体で見ますと、成熟して成体となったもの程、顕著な特殊化が見られます。
ここで重要なのは、進化を担う形質の特殊化とは、成体の特徴つまりはおとなの特徴であり、
成体の特徴が強調されてゆく進化を「成形進化」と表現します。
しかし、成形進化はある一定の環境に適応するために有益でしたが、逆に環境の変化に対しては弱いのです。
例えば、大きな動物は豊かな猟場では有利となりますが、獲物の数が減れば、
大きな体を維持するのに充分なエネルギーを確保できなくなるため、衰退していきます。
こどもの特徴が強調されていく「幼形進化」
成形進化とは逆に、新しい環境に応じて、成体の持つ特殊化を徐々に破棄してゆくような進化もあります。
大きな体や鋭い牙といった特殊化が、新しい生活様式では不利となり、
特殊化が未発達な幼体の状態の方が有利である場合、発育が遅れて、幼体である時間が長くなり、
幼体の特徴が強調されていきます。
このような進化を「幼形進化」と言います。
人類の祖先は、大きな顎骨・鋭い牙・強靭な前脚・豊かな毛皮を有していましたが、
森を追われて草原生活に移行した際に、これらの特殊化は必要ないため、幼形進化を進めました。
つまり、こどもである時間が長くなり、成体の特徴が現れてくるのを遅滞させ、牙や毛皮などを破棄していきました。
類人猿の場合、急速に成長し、顎骨が発達して前に出て来て、鋭い牙が出現しますが、
人類の場合、ゆっくりと成長し、顎骨の発達もあまり見られず、
成体となっても頭骨の様子はこどもとそんなに変わりません。
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幼体のまま、性的に成熟する「幼形成熟」
人類は幼形進化によって、類人猿の有する特殊化を放棄して、ヒトへ進化しましたが、
幼形進化とともに、人類をヒトにした進化上の現象に、幼形成熟があります。
「ネオテニー」とも言われるこの現象は、成体の特徴が現れる前に性的に成熟してしまい、繁殖活動に参加するようになることを言います。
つまり、こどものままおとなになってしまうのです。
ヒトは、幼形進化によって、幼体の時間と特徴を引き延ばし、成体の形質の顕現を遅らせ、
さらに、幼形成熟によって、幼体のまま性成熟するようになり、
成体の形質を捨てて、サルからヒトへと進化しました。
幼形進化・幼形成熟が萌えを生み出した
以前の記事で、「人間は、赤ん坊や子供を保護するように、本能が設定されており、赤ん坊や子供の特徴があると、可愛いと思ってしまいます。」と書きましたが、
その根源には、今回紹介した「幼形進化・幼形成熟」があるのではないかと考えています。
人類は、幼形進化・幼形成熟により進化してきたので、本能としてこどもが持つ特徴を好ましいと感じると考えられます。
よって、萌えるイラストというのは、顔については幼児的特徴である、眼は大きくぱっちり、鼻は小さく、そんな幼児顔が好まれるようになりました。
一方、体型については、胸や腰は性的なアピールとなる部分になるため、
胸と腰だけは幼児体型ではなく、発達していることが好まれるようになりました。
つまり、童顔・巨乳体型が好まれるようになっていきました。
なぜ日本で萌えの文化が発展したのか?
「ネグロイド」「コーカソイド」「モンゴロイド」といった各人種を見比べてみると、
モンゴロイドである日本人は、顔と体の比率、体毛の様子、
欧州などでよく未成年と間違えられるこどものような目鼻立ち、
といったサルのこどもと共通する特徴を多く残しているため、
モンゴロイドは他の民族よりも、より幼形進化・幼形成熟が進んでいると考えられます。
ということで、日本で萌えの文化が進んでいるのは、人類の進化が関係しているのかもしれませんね。
さて、この記事を書いていてわかったことは、
萌えイラストで最強なのは、ロリ・巨乳が最強ということでしょうか笑
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