読まれるライトノベルの書き方2
前回に引き続き、読まれるライトノベルの書き方について説明します。
読まれるライトノベルを書く方法
リアリティ
リアリティを出すには、「作者の都合を優先させない」ことです。
科学考証や各種常識などを作者の都合でねじ曲げたり、同じく作者の都合でキャラの性格や言動がブレまくったりしている作品はリアリティがありません。
ライトノベルで、能力者や魔法使いのキャラが多い理由は、科学考証が必要ではなく、常識も無視しても良いため、描きやすいからです。
また、舞台を東京や大阪など都市にした場合、読者の多くが知っているため、間違ってしまったら、粗が見えやすいです。
一方、地方都市や未知の異世界を舞台にした場合、粗は見えづらくなり、新鮮に見えるため、出だしで足切りされることを防ぐことができます。
そういった背景もあり、「小説家になろう」では異世界を舞台にした作品が非常に多いです。
オリジナリティ
オリジナリティとは、ただ斬新なものではなく、これまでにある要素に、これまでになかった要素を少し加え、読者に理解しやすい演出を行ったものがオリジナリティです。
読者がまったく知らないものばかりで構成しては、
ただの斬新なものでしかなく、読者には受け入れられません。
オリジナリティとは、読者が理解できてこそのオリジナリティと言えます。
これまでなかった斬新なものを、これまでにもあったものに組み込むことで、初めて読者に伝わります。
設定や世界観などがありがちな王道と呼ばれる作品の中でも、陳腐と受け取られる作品と、王道だけど面白い作品が存在します。
「陳腐な作品」と「オリジナリティがあり面白い作品」を分ける境界線は、
「設定(ネタ)」であり、王道に仕分けられるような要素を、他人が想像しない視点で描くことができれば、高い評価を得ることができます。
ただ、気を付けなければいけないのは、「作者の想像力やイマジネーションの比率と、オリジナリティは反比例する」という法則があります。
人間の想像力や発想などは、天才でもなければ似たり寄ったりになります。
結果、作者は違うのに、新人賞の原稿が同じ傾向になってしまうことがあります。
よって、ライトノベルを書くなら、想像や発想ではなく、現実の世界(自分自身の経験・体験など)を参考にして、それをもとに書いた方が逆に「オリジナリティ」を出すことができます。
テンプレートとオリジナリティのバランス
ライトノベルの作品を見回していれば感じると思うが、似たような作品が多いのが、ライトノベルの特徴となります。
ライトノベルで求められている要素は決まっており、押さえるべきところを押さえることがまず重要となります。
要はライトノベルは、ある程度テンプレートが決まっていて、その中でいかに自分だけの魅力(オリジナリティ)を出せるか、というジャンルです。
ルールがあって、その中で優越を決めるという点ではスポーツに似ています。
大抵は押さえるべきところを押さえて、少しのプラスアルファ(要はオリジナリティ)がなされた作品が売れています。
読者は安心できるワンパターン(テンプレ)の物語を好みつつも、違った傾向の新鮮な作品に飢えています。
どちらも満たすのは、ただ、テンプレを真似するだけでは駄目であり、作品のオリジナリティを高めるために、上記したように現実の世界の専門知識が必要となります。
小説は基本的に何を書こうと作者の自由ではあるが、ライトノベルは小説の中でも、商業色が強く、
読者層や好みが偏っているという特徴があります。
そのため、ライトノベルのセオリーを知らずに書いていると、いつまでたっても売れないという悲しい結末になってしまいます。
「いや、私は私の書きたいものを書きたいんだ!」というように、
作家性を強く主張するのは当然ではありますが、読者に歩み寄ることも重要です。
この2つを制御するバランス感覚こそ、作家にとって最も重要な能力の一つとなります。
作家性を殺しすぎると、作家は壊れるし、作家性を強くしすぎると、読者にはそっぽを向かれます。
ライトノベルは商業性が強く、読者に受ける「テンプレ」というルールを自分なりに消化しつつ、
自分の書きたいものを作っていくしかないので、商業性と作家性のバランスとしては、
7(商業性):3(作家性)ぐらいがベストかもしれません。
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