LINEノベルはノベル業界を変えれるのか?
LINE株式会社は2019年4月16日、小説やライトノベルの新サービス「LINEノベル」を今夏スタートすることを発表しました。
「LINE文庫」「LINE文庫エッジ」創刊!
「LINEノベル」のオープンに伴い、文芸レーベル「LINE文庫」と、ライトノベルレーベル「LINE文庫エッジ」を新たに創刊します。
2019年夏に公開予定のアプリ上で、各レーベルに連載する作品が読めるほか、同レーベルから毎月10作品程度の書籍を刊行する予定です。
アプリで連載する書き下ろし作品は?
今夏からアプリ上で連載が始まる書き下ろし作品としては、以下が発表されています。
・鎌池和馬氏「魔導ハッカー〉〉暴け、魔法の脆弱性を」
・アサウラ氏「サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム」
・いぬじゅん氏「願うなら、星と花火が降る夜に」
・蝉川夏哉氏「さくら堂骨董品店奇譚」
ノベルコンテスト「第1回 令和小説大賞」開催!
LINE、アニプレックス、日本テレビの3社連携によるオールジャンルの小説コンテストの開催を発表しました。
応募期間は、2019年4月16日~9月30日までです。
大賞受賞者には賞金300万円のほか、書籍化や映像化されるとのこと。
作家にとっての最大のメリット!書籍化する会社を選べる!
作家にとって最大のメリットとしては、作家がLINEノベルに参画している複数の出版社から個別に書籍化オファーを受けられる可能性がある点となります。
提携企業の編集者は、作家の投稿作品を読み、気に入れば書籍化のオファーを出すことが可能です。
特定の作家がオファーを受けたことは、参画している全ての出版社に共有され、オファーを出した出版社以外の企業でも、その投稿者にオファーを出すかどうかが選択できます。
複数のオファーを受けた作家は、各社の条件を比較して書籍化する出版社を検討できる点が最大のメリットとなります。
参画している出版社はKADOKAWA、講談社、新潮社、集英社、実業之日本社、スターツ出版、宝島社、東京創元社、文藝春秋の9社です。
LINEノベルの投稿・編集・プレビューの評価は?
全体的なUIはカクヨムベースとなりますので、なろう作家にとっては最初扱いにくいかもしれません。
見え方としては完全にスマホ仕様のようです。
所感
LINEノベルについて私が思うことを書いていきます。
スマホから会員登録できない!
スマホ中心のサービスですが、会員登録はPC版からしかできません!
大丈夫ですか、このサービス。。。
実は新しいサービスではない!
「ライトノベルが人気になり、ガラケー時代のケータイ小説がある。スマートフォン時代の象徴となる小説のサービスはあるでしょうか? まだ登場していません。だからこそ、チャレンジしたいと思います。多彩なコンテンツをデリバリーする仕組みを作り、小説の楽しさを知る機会を作ります。新しいコンテンツを創出していく。時代を感じられるような新しい文化として成長させていきたい」
4/16発表会のLINEの舛田淳取締役の発言より
別に「LINEノベル」のようなスマホを意識したサービスは目新しいものでもなく、
今回のLINEノベルにも参画しているKADOKAWAが提供している「カクヨム」があると思いますし、
色々と作家とトラブルを起こしている「comicoノベル」もあります。そんなに新鮮さはありません。
なぜ外資を頼ったのか!?
僕が出版業界で働き始めたのは、約20年前からです。西暦2000年当時においては、まだまだ出版界は元気でした。しかし、今の日本の出版は、『死』に直面していると思っています。その理由は、出版不況や紙の衰退、リッチメディアへのトレンドシフト、趣味の多様化など様々な要素が絡み合った結果なのですが、もうひとつ『黒船のコンテンツ支配』を忘れてはなりません。
三木一馬氏のnote「 滅びが近い出版業界を復活させる、たったひとつの冴えたやり方 」より
コンテンツ業界も、製造やIT、物流やソーシャルサービスと同様に、外資の脅威にさらされています。GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)による圧倒的な物量と徹底した効率重視の戦略、旧態のルールを無視したプラットフォームサービスの提供などで、日本が誇る世界でも類を見ない高品質なコンテンツが、統一規格としてカタログ化されつつあります。出版業界は目先に利益に抗えず、メガプラットフォーマーにコンテンツを供給し、気づけばサブスクリプションサービス(定額制コンテンツ閲覧サービス)によって、コンテンツのダンピングが日常的になっています。
上記では出版業界における黒船来航への危機感を語っていますが、
LINEも外資で黒船なので本末転倒なことをしていませんか?
ライトノベルといえば、日本が生み出した素晴らしいコンテンツの一つだと思いますので、
LINEという外資に頼るのではなく、日本の会社だけで挑戦してほしかったですね。
新しくサービスを立ち上げるということは、小説投稿サービスのレッドオーシャン化を進めるだけなので、
例えば、KADOKAWAのカクヨムをもっと改善したりして、既存のサービスを強化することで、「滅びが近い出版業界を復活させる」ことはできなかったのでしょうか。。。
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