これからはマンガアプリに投稿して、漫画家デビュー!?
今回は、電子コミックが拡大していく中での、漫画家デビューの方法について説明していきます。
電子コミックが単行本や雑誌と並ぶ大きな市場に
国内のデジタル出版の動向をまとめた「電子書籍ビジネス調査報告書2018」によると、
2017年度も電子書籍市場の成長は続いており、国内電子書籍全体の市場は2556億円で前年比12%の増加になりました。
このうち電子書籍は2241億円(13.4%増)、電子雑誌は315億円(4.3%増)となりました。
電子書籍の伸びが大きく、電子雑誌の伸びは鈍く、電子雑誌は全体でも1割強と割合も低い結果です。
電子書籍市場で、電子コミック市場は1845億円(14%増)であり、全体の82%と非常に大きなシェアを持っており、電子書籍の普及がコミックに牽引されることがわかります。
電子コミックの2000億円に迫ろうとする市場の大きさは、紙でのコミック単行本、雑誌とそれぞれ同程度となります。
漫画業界においても、電子コミックが単行本や雑誌と並ぶ大きな市場となりました。
マンガアプリ
電子コミックを読む場合、マンガアプリを使用することが多いのですが、
LINEマンガが全体の26.9%と最も利用されており、少年ジャンプ+の19.7%がそれに続きます。
2017年に1位だったcomicoが利用者を大きく落とし3位に後退しました。
今回は、これら3つのマンガアプリからの漫画家デビューの方法を説明していきます。
LINEマンガインディーズ
特徴
LINEマンガというのは、「LINE」連携サービスの1つで、スマートフォン向け電子コミックサービスです。
アプリは2018年の6月に2000万ダウンロードを突破しました。
LINEマンガインディーズは、オリジナル作品を投稿できる新サービスです。
LINEユーザーなら誰でもLINEマンガ上で作品を投稿することができ、
カラー/モノクロや縦読み/横読みなども問わず、1ページからでも投稿可能です。
LINEマンガインディーズでのデビュー方法
問い合わせフォームの「持ち込みはこちら」から連絡をした上で、
来社予約・郵送の好きな方法から選んで持ち込みができます。
連載作品は原稿料が支払われるのはもちろん、LINEスタンプやLINE公式アカウントなどを活用してプロモーションを行ない、自社レーベル「LINEコミックス」から書籍化も可能とのことです。
少年ジャンプ+
特徴
少年ジャンプ+は、少年ジャンプの漫画が無料で読める本格的マンガ雑誌アプリです。
人気作家の新作から歴代ヒット作品まで、毎日無料で読むことができます。
少年ジャンプルーキーに投稿して、スカウトされてジャンプ+デビュー
ジャンプルーキーは、プロ・アマ問わず、自分の漫画を簡単に投稿できます。
才能を感じる投稿者は直接、編集部がスカウトするとのこと。
実際にジャンプルーキーに投稿された「あの娘はヤリマン」(北内乙三・作/旧がちょん次郎)は人気が出て、少年ジャンプ+で連載をしています。
「ジャンプルーキー賞」を受賞して、ジャンプ各誌にデビュー
「ジャンプルーキー賞」とは、少年ジャンプルーキーで毎月実施されるマンガ賞です。
毎月1日から月末までに投稿された作品のうち、ランキング上位10作品が候補作となり、その中から編集部の審査で選ばれます。
選ばれた作品は賞のランクにより、ジャンプ各誌に掲載されます。
超連載グランプリを受賞して、ジャンプ+デビュー
2019年2月23日から、第1回少年ジャンプ+超連載グランプリが開始されました。
読者投票で連載&コミックス化を決めるグランプリとなります。
3話までの「いいジャン!」数の合計で順位を競い、最終的なランキング1位の作品がそのままグランプリとなります。
原稿料
2015年に実施された「第1回少年ジャンプ+連載グランプリ」によると、
連載頻度は週間か隔週か相談の上選択し、原稿料は1ページ9000円~、
確約されるコミックスは1冊分(約180P分)とのことです。
comico
特徴
NHN PlayArtが開発・運営する、スマホ向けコミック&ノベルサービス「comico」アプリです。
2017年8月に、国内累計1500万ダウンロードを超えました。
縦スクロールで読み進む形式やフルカラー原稿など、スマートフォンでの閲覧に最適化したサービスです。
2017年末段階で公式マンガとして連載される作品は182作品にもなり、『ReLIFE』、『ナンバカ』、『ももくり』といったアニメ化や実写映像化されたものも少なくありません。
comicoで公式作品となりデビューすれば、書籍化やアニメ化の可能性があります。
comicoでのデビューの方法
comicoに掲載されている漫画作品はチャレンジ作品、ベストチャレンジ作品、公式作品の3種類に分かれています。
①まずはチャレンジ作品に投稿します。
②チャレンジ作品の人気のある作品から運営が審査して合格すれば、
ベストチャレンジ作品になります。
③ベストチャレンジ作品の中で、評価が高い作品の作家を公式化したり、
スカウトで勧誘したり、キャンペーンで勧誘したりして、公式作品となります。
comicoの原稿料
公式作品になると連載作家として、原稿料は1本5万円+インセンティブが支払われます。
ということで、これまでは「漫画を書いて、出版社に投稿して、デビュー」でしたが、
これからは「漫画を書いて、マンガアプリに投稿して、ユーザーに評価されてデビュー」とう形になっていくかもしれません。
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